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取り扱い注意!和本の上手な保管方法

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現在書店で販売されている本は、西洋式製本を採用した本が主流ですが、明治より以前は和紙を使い、製本は糸で綴じる製本の「和本」が中心でした。和本の保管方法は西洋式本とは保管方法が異なりますので、今回は和本の上手な保管方法をご紹介したいと思います。

和本とは

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明治より以前に発行された日本の古い本のことを和本と呼ばれています。古典籍もよく似ているのですが、古典籍は中国の本も含まれているものを言います。日本で古くから親しまれている巻物や巻子本(かんすぼん)も和本に含まれます。

和本を読み解くことで、私たちは昔の人々の生活や、歴史を知ることができます。古本屋さんで買うことがきる和本は、紙質、製本の違いから、取り扱いには注意が必要です。

和本の大敵「虫」「湿気」「酸化」を防ぐ

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まずは虫対策です。
大きな博物館や図書館、文書館などでは、防除対策は万全にされていますが、一般家庭ではなかなか困難です。

和本を好む虫はシバン虫で、和紙を好むのがフルホンシバンムシと言われていて、東日本ではフルホンシバンムシ、西日本ではザウテルシバンムシが多いと言われています。

初夏から梅雨明けに虫が飛んでいるのを見つけたら要注意で、和本にこの虫がついたときには、幼虫を見つけ出すこと、そして駆除することが大切です。本の下に不要な箱を置いて、その上で和本をトントンと叩くと虫が出てきます。

ただこの方法だけでは全ての虫は駆除できず、綴じ糸に隠れていることがあるので丁寧に解いて虫を追い出します。

一度虫がついた和本には、虫がつきやすいのでフィルム袋に密封して保管するのがおすすめです。

防虫対策には、昔から日本で使われている「樟脳(しょうのう)」がおすすめです。原料はクスノキ100%の防虫剤で、スッとした良い香りがします。天然100%の粉状のものが手に入れば、小袋などに入れて箱に同封するのが良いでしょう。

次に、湿気対策です。

まずは部屋自体の湿度管理を行う「大環境」と和本を保存する箱などの「小環境」を整えることで湿度からのダメージを防ぎます。書庫などに適している温度は25度、湿度は55%が適当だとされています。そのため、まずは部屋の温度湿度を適した環境に整えます。

和本のために一年中同じ環境を整えるのが難しい場合には、保存箱や調湿紙で湿気から和本を守りしょう。

最後に酸化対策です。
紙が劣化する原因は光と空気、ホコリや害虫、湿度や温度の変化が原因です。
暗い場所で保管することで、紙の劣化を防ぎ、本を長持ちさせます。
本を保管する場所には、遮光カーテンや紫外線防止フィルムを使うことで、紙の酸化防止にもなります。

和本の保管場所と注意点

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和本は保存箱に一冊ずつ入れて横置きで保管するのがベストです。ただ横置きはスペースをとるので、縦置きで保管する場合は、帙(ちつ)と呼ばれる和本を損傷から守るための覆いや、箱に入れて保存します。また、中性の厚紙に和本を挟んで紐で縛って保管するのも良いでしょう。

注意点
・和本を取り扱うときには、手をよく洗った後に水気をしっかりと拭き取った清潔な手で取り扱います。
・和本は和紙でできているため柔らかいので、横置きで保管します。
・和本を持ち運ぶときには、落下を防ぐためにケースや箱にいれて運びます。
・保存箱の紙質にも注意を払いましょう。

まとめ

和本の保管は、少し面倒だと感じる人もいるかもしれませんが、大切に保管できれば、長く楽しむことができます。家で楽しむ和本は、資料館や文書館など保管をすることを目的だけではなく、見て楽しむ醍醐味がありますので、和本の特徴を理解して、大切に楽しんでください。

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